2015/07/04

L.テュイレ / ピアノと木管五重奏のための六重奏曲 変ロ長調 Op.6


テュイレ(Ludwig Wilhelm Andreas Maria Thuille,1861- 1907,トゥイレとも表記)は、オーストリア出身のドイツの作曲家です。45歳の若さで亡くなりましたが、楽器の取扱いに優れた技量を発揮し、室内楽曲に献身した多作な作曲家です。R.シュトラウスも若い頃に一員であった「ミュンヘン楽派」の代表者とされています。

この曲は28歳で妻のために書かれ、同年にドイツの音楽祭で初演されました。

第1楽章Allegro moderato
ソナタ形式。ホルンにより雄大な主題が始められ、他楽器からピアノに受け継がれた後、クラリネットが柔らかく第2主題を奏でます。中間部では2つの主題が時々顔を覗かせつつ、最後は一気に加速して力強く終わります。

第2楽章Larghetto
第1楽章に同じくホルンで始まり、他楽器からピアノに受け継がれ、最大の盛り上がりを迎えます。その後、木管の静かな旋律で落ち着きを取り戻し、ホルンが冒頭を再現すると、ピアノが静かに回想しつつ終わります。

第3楽章Gavotte,Andante quasi Allegretto
これまでとは打って変わり、オーボエによる軽やかな旋律で始まり、各楽器に受け継がれます。中間部はオーボエによるおどけた旋律の第2主題で祝祭的に盛り上がります。やがてピアノによる冒頭主題に戻った後、突然あっさりと終わります。

第4楽章Finare
木管の小刻みで軽快な和音に合わせ、ピアノが主題を奏でます。やがて、ホルンにより第2主題が転調を繰り返しながらしばらく演奏されると、やがて再び、冒頭主題に戻ります。その後突然の一瞬の静けさの後、一気に加速し、華やかに全曲の幕を閉じます。